志ーこころー 【後編】



福沢「……あの、貴女のその瞳……」




ああ、心臓が痛い。




ドクン、ドクンと脈が波打つ。



いきなりあたしの手を掴んできた福沢諭吉を名乗るもの。




全くのあかの他人ではないけれど、やっぱり知らない人。



そんな人にまで言われねばならぬのか、あたしは。




すとん、と、自分の中のなにかの憑き物が落ちる音が聴こえた。




諦め、に近いもの。