志ーこころー 【後編】



出発する日の朝、梢さんが起きてしまう前に立つつもりだったけれど、部屋の出入口のところには、男物の袴と、心ばかりのお金の入った巾着袋。





そして、丁寧に袋に入れられた、上物と思われる小ぶりの刀。





少しの罪悪感と、未来への希望。




そんなものを背負って、門をくぐってきた。