私はお母さんが何を言っているのかわからなかった。



「な…に言ってんの?」



そんな冗談聞きたくない。



「彩、辛いかもしれないけどね。流也くんはもういないの」




うそだ。




「冗談…きついよ。お母さん…」



「冗談じゃないの」




うそでしょ?




「流也は…生きてるよ。だってほら、さっきまで一緒に帰って…」



「彩!いい加減にしなさい!」



お母さんは泣きながら怒鳴った。




「流也くんはね、彩を守って死んだの。なのにあんたがそれを受け入れなかったら流也くんが報われない」





流也が…私を守って?