裏と表の私と彼


「俺、そうやって悲劇のヒロイン気取ってるやつが一番嫌い。」

すごい目つきだった。彼が一瞬悪魔に見えたほどだった。

「ちょ、は、春…??」

香子が話しかけると春は我に返ったようにびくっとはねた。

「あ、ごめん…。」

「いや、私らはいいんだけど…。」

香子はいっそう泣き声が強まったドアに目を向ける。