裏と表の私と彼



「ごめん、俺寝起きだし、今から撮影だからそこおいといて。」

「あ、はい…。」

香子は女心の分からないやつだなと思いながらよくやった春!とも思っていた。

台本を真剣に読む春を見つめる咲の視線は憧れでも恨みでもなく、純粋な恋の視線であることが香子にも分かった。

「紫苑さん、すいません。春は春なりに責任感じてるんです。それでいつもよりもさらに真剣になってて。」

香子は咲に謝った。

「ほんとにすいません。あとでおいしくたべさせていただきますので。」