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昼休みを知らせるチャイムが鳴り、
教室が一層騒がしくなる。

なんだかんだで 夏希も昼までさぼっていた。
さっそく俺たちは裕太を呼びにいく。


「ゆう!昼飯食べよー!」

「お、二人とも。数時間ぶり!」

「たったの数時間だろ」

「今日も中庭でいいかー?」


チラシを腕に抱えて
生徒会室の扉に鍵をかける。

中庭へ向かうまでに
各教室に置いていくそうだ。

他のやつにやらせればいいのに。

毎度そんなことを思うが、
夏希も俺も出来る限りの範囲で手伝う。


「いやー、ほんとごめん!」

「いいよ。たまには手伝いたいし。」

「ゆうも大変だろー?」


途中、クラスメイトとすれ違う。

親友とまではいかないが、
仲良くしているグループのひとり
憲太郎(ケンタロウ)、だ。


「あれ?翔って生徒会だった?」

「ちげーよ、ただのバイト。」

「大変そうだなぁ。」

「みたいだな。」

「手伝い、頑張れよ!」


おう、とハイタッチをして
憲太郎は部活仲間の所に戻った。

一連の流れを見ていた横の二人も、
手を振って別れを告げる。

部活仲間と楽しげに話す彼を見ると、
俺も入ればよかったな、なんて思ったり。

後悔しても、もう遅いけど。


「翔ちゃん、どうしたの?」

「別に。」

「ははーん、さては肝試しが怖いんだな?」

「肝試し!?」


俺が言い返すよりも早く反応したのは、
まだ計画を知らない裕太だった。

まるで小学生のように、無邪気に笑う夏希。


「今夜は肝試しだぞ!ゆう!」

「な、どこで!?」

「林の真ん中に廃墟があってだな…。」

「かなり端の方になるんじゃない?」

「カツ屋の兄貴に頼むんだよ!」


事情はあとな!と言いながら、
夏希は1年の教室に入っていった。

俺と裕太も残りのチラシを置いて回る。



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