全てを包んで

これは誰がどう見てもおかしな組み合わせだ。

みんなの癒しの源の課長とこんな私が付き合うだなんて有り得ない。

「あの、…何で私なのでしょうか?」

とりあえず、1番の疑問部分を聞いてみた。

「何でって、今泉さんのことが気になって仕方がない。それ以外に理由なんてないよ。」

私の事が気になる…?

ダメだ。
本人の口から聞いてるのに全然ピンと来ない。

だって、だって、あの上条課長だよ⁈

気になってって、一体どこにそんな魅力が?
いやいや、無い。
自分で考えていて悲しくなるぐらい女としての魅力が、女子力が低い!
昨日だって、美咲ちゃんにおっさんだと言われたばかりだ。

「…あの、何かの間違い、もしくは罰ゲームか何かとかですか?」

「間違いでも、罰ゲームでもありません。」

そう苦笑いしながら課長は抱きしめていた力を弱め、私と視線を合わせて

「今泉さんが好きです。俺と付き合ってくれませんか?」

「………。」

「信じてもらえない?」

「すみません。あまりの事に頭がついていかなくて…。」

「今泉さん、さっき彼氏は居ないっていってたよね?じゃあ、誰か気になる人でもいるの?」

「いえ、気になる人も今はいないですけど…。」

「それなら、俺と付き合って。もしも嫌になったらその時に言ってくれれば良い。そうならない様に努力するけどね。」