「今泉さん?」

固まったままの私に課長が声を掛ける。

「えっ?あっ、はい。」

「俺とデートして欲しいって言ったんだけど、そんな固まるほど嫌だった?」

へっ?
何これ幻聴?
っていうか私、夢でもみてる?

今だに固まったままの私に課長が歩み寄る。

目の前に来た課長は私の目を見ながら

「また、俺に付き合ってくれないか?」

もう、私の頭はショート寸前だ。

ただでさえ今の状況が理解出来ていなのに、課長にデートに誘わるって…

「あの、その、…わっ私でよければ。」

いっぱいいっぱいになりながらも、何とかそう返した。

「良かった。もう一つお願いがあるんだけど。」

「なっ何でしょうか?」

「俺と付き合ってくれないか?」

「……っ⁈」

い、今何とおっしゃいました?

相変わらず爽やかな笑顔で課長が私を見つめている。

「俺の恋人になって欲しい。」

私の頭はとうとうショートした。

驚き過ぎてパクパクと動く口からは何も言葉が出て来ない。