恋物語

花火祭り当日。
「髪型よし!荷物よし!浴衣よし!」
舞との祭りが楽しみで、気合入れすぎちゃったかな?
時刻は夕方7時を回っていた。
「もうそろそろ行こっかな」
下駄を履いて、舞の家に向かった。
ただ、そんなけの間で…。
「え…」
前方を歩いているのは…
「横山くん…?」
横山くんともう1人。
女子…?
2人は仲良く手を繋ぎ、笑顔で歩いていた。まるで、私に見せつけるかのように…。
私は何も言えないまま、遠回りをして舞の家に向かった。

どうして…?
なんで横山くんがほかの女のこと…?
付き合ってるの…?
横山くんの彼女は私じゃないの…?
もしかして…
浮気…?
考えるだけで色んなことが思いついちゃう。
花火祭りを断った理由。
遊びの誘いを断った理由。
勉強会を断った理由。
遊園地を断った理由。
なんでこんな時だけ頭が働くの?
考えたくない。
この思いから逃げたい。
私を…辛くさせないで…。
考え込んでいるのに、もう舞の家に着いてしまった。
ピンポーン。
「あ、もう来た?はやか…」
舞は一旦何がどうなっているのかわからない表情でこちらを見ていたけど、すぐ状況がわかり、部屋においで。と入れてくれた。
「柚衣…。別れなよ」
私が落ち着いたのを見て、そういった。
「でも…好き…」
「柚衣!あんた、裏切られたんだよ!?浮気されてんだよ!?それでも付き合うの!?」
舞の顔が怖くて、見ることができなかった。
きっと、すごい顔して見てるんだろうな。
半泣きのまま、私はしたを見つめたままだった。
「私…どうすればいいのかな?」
無理にでも笑顔を作って舞の顔を和らげよう。それしか私にはできない。
でも、舞の顔は、泣いていた。
「舞…?」
「うっ…。柚衣が、あんたが無理な笑顔作るから!」
舞はギュッと抱きしめてくれた。
浴衣ずれちゃうよ。
なんて、言えないよ。
舞には無理な笑顔は通用しない。
舞にはもう全部お見通しだね。
「舞ー…」
奥から涙が溢れてきた。
楽しみにしてた花火祭り。
7時前半。2人で泣きわめいた。
私は、裏切られたんだよね?
もう、別れた方がいいんだよね?
私は、その選択をするよ?
もう、恋はしない。
裏切られるんなら、したくない。
そう心の奥に言い放ち、そっとその思いを心のタンスにしまった。

『バカ。裏切るなバカ。別れよ。バカ。ばいばい…。』

『大好きでした。ありがとう』

一方的にうったメール。
でも、思いは届いたはず。
さよなら。好きだった人。
さよなら。大好きだった人。
さよなら。初恋の人。