暁天の星



…突然だった。




家に入ってきたその人物は、たった1人で奴らを次々に薙ぎ倒した。


男も女も関係なしに。



急所は外してるんだろうけど、躊躇なんて微塵も感じられなかった。




…その光景を、僕は見つめることしかできなくて。






「なんだテメエ!!」

「死にてえのか!」



連中が、その人物を取り囲む。



大きなフードを深く被って、黒いマスク、レザー素材の服。


顔はよく見えないけど、さっき聞いた声からして女だろう。体つきからしてもそうだ。





「…消えてもらうあなた達に、名乗る必要あるかしら?」

「なんだと…!?ふざけんなよ!?」

「大真面目よ。」




奴らの1人がポッケから出した拳銃を構えた。




え……?


いや、待って…。



目の前の行動にギョッとする。






「あら、小細工?どうでもいいけど。」

「死ね。」




ーバンッ!!!!!!!!





彼女の言葉に触発されたのか、男が発砲した。


状況が理解できない。
頭がぐちゃぐちゃで、何もついていけない。





「空砲なんだ。意外と優しいのね…?」

「黙れ…!」



カチャ、と男がまた銃を構える。
と思ったらその銃口を僕に向けた。





「ひっ…!!!」



僕の情けない声が漏れた。


何が起きてるんだ、今…。



男はニタァと気持ち悪く笑った。




「お前さあ、状況を理解してないんじゃね?誰か分かんねえけどこのガキを助けに来たってことぐらい、俺たちでも理解出来る。

あんまりナメた真似してたら、ヤっちゃうよ?」





うまく飲み込めない…。



どういうこと……?





全部、もう何も分からない………。