【アキラ】
ヘッドホンの向こう側で、雑音の中から声がする。
複数の男の声と、時たま女の人の泣き叫ぶ声。
殆ど雑音で何も聞こえない音源から、やっと人の声を聞き取れるぐらいになった。
それでも途切れ途切れだから何を言ってるかは、まだなんっにも分からないんだけど。
ここまで働いてくれた本人は、横でキーボードを永遠カタカタ叩いてる。
「どう?ライ。できそう?」
「このくらいなら2、3日あれば余裕かな。」
ふう…。
奴の返事に安堵の溜息をついた。
「なら、後はよろしく頼んだわ。」
「いいけど。この場所、アキラの管轄下じゃなくね?」
ま、そうだけど。
「ちょっとね。どうしても放っておけなくてさ。譲って欲しいってマキに頼み込んだの。」
「本当にお前は厄介ごとに首突っ込むよな。」
ケラケラ笑うライの肩を小突く。
「うるさいわね。」
「お人好しってことだよ。」
「褒めてる?貶してる?」
「半々かな。」
この野郎。
「急いでよ?悪いけど、いつまでも野放しになんて出来ないんだから。」
「分かってるよ。それより、アキラの方は?」
「もう終わってます。あとはアンタ待ち。」
「スパルタだなぁ。」
なんだかんだ言って、やってくれるの分かってるよ。


