「着いた〜〜!ココだよ〜。」
何とか日の出までには間に合った…!
木でできたベンチが一つあって、そこに腰掛ける。
「お疲れ様。はい、りんごジュース好き?」
頷いて、ちょっと嬉しそうな顔を隠す彼に、紙パックのりんごジュースを手渡す。
たまたま見つけた自販機で買ったものだけど。
「疲れた後に飲むりんごジュースはやっぱ美味いねえ〜〜。」
…日の出だ。
新しい1日が始まる。
今日はどんな日になるだろう。
昨日よりもいい日だったらいいな…。
この子にとって、どうか、今日が幸せな日でありますように。
辛いことが起こりませんように。
もうあんな風に泣かなくていい、そう思えるような新たな1日になればいい。
わたしはそれを願うことしかできないけど。
燃える炎の玉が、ゆっくりと空に昇っていく。
藍色の光る空を明るく照らし出す。
「どう?なかなか綺麗じゃない?」
いいんだよ、答えなくて。
鎖した扉を、無理に開けなくていいんだよ。


