「ねえ、キミの名前は…?」
恐る恐る聞いてみても何も喋らない。
まだ距離がありすぎるよね…。
ちょっと聞くの早すぎたかな…。
もう少し詰めてからじゃないとダメか〜。
それか実は話せない、とか?
…違うかな。
「年は?小学生?」
これには首を縦に振る。
小学生ね。
まだ小学生の男の子ってことと、家に帰りたくないってことしか分からない。
どうやったら話してくれるんだろう。
ずっと首を縦か横に振るだけだもん。
これじゃイエスノーしか分からない。
………………。
もしかして…、イエスノーで答えられる質問なら答えてくれるのかな?
「じゃあ…、キミはいつもこの場所にいるの?」
彼は首を横に振る。
「今日はたまたまこの場所にいるんだね?」
そう聞くと首を縦に振った。
ふーん。そっか。
ちょっと解明もできたぞ!
「お家には?帰らないの?」
………だんまりだ…。
「ママとかパパは?帰らないと心配するよ。」
わたしがこんなことを言ったからなのか、それとも腹が痛かったからなのか。
彼の瞳から、ぽろっと涙が零れ落ちた。


