さてと。
残されたのは、わたしとポカーンとしてる少年。
道の隅で座り込んでる少年の前まで歩いてしゃがみ込み、目線を合わせた。
「初めまして。わたしはアキラ。さっき名乗ったアキとキラはわたしの愛称よ。あなたは?」
彼の顔が強張ってる。
微かに震える体を必死に押さえ込んで、この場をどう抜け出すか考えてるような感じ。
そりゃそうか。
目の前で男の子20人ボコボコにしてる光景見せられたら、わたしのことだって信用してくれないよね…。
「えっと…、いきなり話しかけてごめんね?
わたし、怪しい者じゃないんだけど…。説得力ないよね…。」
終始無言を貫いている男の子。
まずはこの子の中にあるわたしへの不信感を解かなきゃいけない。
何て言うのかなあ…、こっちの世界で言うなら、警察みたいな立場なんだけど…。
警察なんて大層なものじゃないけどさ…。
「うーんと…、あ!裏社会専門の警察って言ったら分かりやすい?そんな感じ!」
まだ怪訝な顔をしてるけど、それは仕方ない。現にそれを証明する手帳とかはないから。
「大丈夫だった?さっきのお兄さんたちに何かされてない?」
殴られた所がすでに赤くなってる。痛そうだ…。
「もう1時半だけど…、お家は?帰らないの?」
震える顔でこの質問にだけは首を縦に振った。


