【明】
こいつらも、大人になったなあ。
と、目の前の龍平と里香を見て思った。
あんなに小さかったのに、もうすっかりお兄ちゃんだしお姉ちゃんになった。
なんだろう、子離れってこんな感覚?
分からないけど。
「…あの子はさ、人一倍警戒心が強くて、周りをよく見てる。洞察力もすごいし、人の気持ちに敏感で。」
頷いて話を聞く2人の動きがシンクロする。
「今は内側に閉じこもってるけど…、本当は誰よりも優しくて、誰よりも純粋で。
……龍平も里香も、那月の人柄は関わっていけばわかるよ。
那月のキズは計り知れない。心を開いてもらえるかも分からない。自分の言動一つで逆に那月を傷つけてしまうかもしれない。
…………あんた達覚悟あるの?」
真っ直ぐに龍平と里香を見た。
那月は今もなお部屋から出てこない。
ここに来て1ヶ月経ったけど、そんな素振りも見せない。
それを解決するには、確かに、那月のことを知ることから始めなきゃいけない。
そのための一歩として、行動を起こしたことも、こいつらがやろうとしてることも大体わかる。
それが実現するかは不確かだけど。
ぱっと見た2人の顔が、目が、わたしを真っ直ぐに見つめ返してくるから。
ああ、こいつらなら、那月を任せてもいいんじゃないかな。
そう思ったんだよ。


