我ながら、歯切れの悪い言い方だと思った。
なんだかズバッと聞いたらいけないことをしているような気分になる。
「で、アンタ達は何が知りたいの?」
遠回しなあたしに、明が核心をつく。
これ以上はデリケートな話だよね?
それでも、大事な話だよ。
「那月くんが部屋から出てこない理由。」
「………それだけ?」
「それを聞けば、全てがわかるじゃない?」
そうでしょう?
確かにな、と頷く明に更に続ける。
「過去のこと、興味本位で詮索したいわけじゃないんだよ。」
「それはわかるよ。」
そんなことしたら、明は本気で怒ると思う。あたし達もそんな理由で知りたいわけじゃない。
一緒にご飯食べたり、順番にお風呂行ったり、普通に家族として暮らす環境があるのに。
今、それができてなくて。
それは那月くんに何か思うことがあるんだろうけど、それが何か分からない。
逆に知らないと、更に傷をえぐってしまうかもしれないから。
「あたし達一緒に住んでるんだよ?なのに、もう1ヶ月経つけど会ったのは今日が初めてで。」
「うん。」
「…あたし、那月くんのこと何も知らない。歳も、誕生日も。顔だってずっと知らなかった。
1ヶ月前、那月くんがこの家に来るとき、明から新しく男の子がくる話を聞いてから、川畑那月って名前と、男の子ってことしかずっと知らなかった。」
もっと知りたいんだ、家族って言うなら。
明が連れてきた子なんだよ。あたし達だって、必然的に大事に思うよ。


