ディセルの手の一振りで、吹雪はかたまって大小いくつものかわいい雪だるまとなった。

わーっと歓声が巻き起こる。

「続いて炎の芸は、俺様に任せな! いよっと!」

サラマスはジャグリングのピンを手に持って、ひょいと掲げた。

するとそのピンが、あっというまに燃え盛る炎に包まれる。

サラマスは何本もの燃え盛るピンを、器用にジャグリングして見せた。

「すご~い! 熱くないのかな?」

子供たちも熱心に見ている。

続いてサラマスがつくりだした炎の輪の中を、ディセルのつくりだした雪だるまたちが踊りながらくぐり、フィニッシュとなった。

人々の銭が雨あられと二人に降り注ぐ。

二人はそれを拾い集め、歓呼の声に応えた。