麗雪神話~青銀の王国~

はっと、ヴェインが息をのむ。

彼はセレイアの投げた槍をかわすことには成功したが、ディセルの攻撃を防ぎきれなかった。

はねあげたディセルの剣が、ヴェインの胸を切り裂き、彼が顔半分に着けた銀色の仮面を弾き飛ばす。

カン、と甲高い金属音が鳴り、仮面は地面を転がった。

ヴェインは半ば呆然としながら、慌てた様子であらわになった顔半分を隠そうとした。

しかし、隠しきれるものではなかった。

その顔は、何かひどいやけどを負ったかのようにただれていた。

ディセルも驚いて、思わず手を止めてしまっている。

「見るな………見るなあぁぁぁ―――――っ!!」

ヴェインは絶叫すると、そのまま外套を翻し、ふわりと宙に消えてしまった。

彼が消えると同時に、広場に残っていた霧虫たちも霧散する。

撃退したのだ。

作戦は大成功だ。

そう思ったら、急に体から力が抜けた。

座り込むならよかったのだが、セレイアは階段の手すりからいっぱいに身を乗り出して槍を放った体勢だった。

均衡が崩れ、セレイアの体はそのまま手すりの外へと投げ出される――!

(お、落ちる――――!!)

気が付いたらひゅっと風を切って、セレイアは落下していた。