麗雪神話~青銀の王国~

ヴェインがディセルと戦っている隙に、セレイアはパレスの非常階段へとひた駆けた。

―できるだけ早く、できるだけ高い位置に。

セレイアは息苦しくなるほどの速さで、階段を駆け上った。

地上では、ざわめきが起こっていた。

レティシアが、青幻獣の背中に乗ったのだ。

そしてそのまま、彼女は空高くへと舞い上がっていく。

(やりましたね、レティシア王女殿下!)

しかし喜ぶのはまだ早い。

作戦はこれからだ。

レティシアが天の玉座へとたどり着いたその時を見計らって、セレイアは大声をあげた。

「ヴェイン!! 私はここよ!! 狙わなくていいの!?」

その声に反応して、ヴェインがセレイアのいる方を見上げる。

(今です! 王女殿下!)

その時、まばゆい光が頭上から放たれた。

まるでもうひとつ太陽が現れたかのように。

「ラピストリが決まったぞ!」

人々の歓喜の叫びの中、ヴェインが片手をあげて目をかばっている。

そう、まばゆい光をまともに見てしまったからだ。

この瞬間、完全に、ヴェインには隙があった。

今しかない!

「覚悟―――――っ!!」

セレイアは手にした槍を、力いっぱいヴェインめがけて投げつけた。