麗雪神話~青銀の王国~

「殿下!? こんなところに来ては、危険です! 早く向こうへ! 奴の狙いは私と彼なんですから」

「この状況じゃ、どこにいたって危険ですわ! そんなことより、聞いてちょうだい!」

レティシアはセレイアのもとに忍び寄ると、小さく耳打ちしてきた。

セレイアはその内容に目を見開く。

レティシアは信じがたいことを言って来たのだ。

けれどためらっている時間はない。

セレイアは頷いた。

「わかりました…あなたなら、できますよ王女殿下!」

その作戦を成功させるには、セレイアもまだまだやらなければならないことがある。

「ディセル、私はこれからパレスの非常階段を上るわ。
あなたには、その間ヴェインをこの地上に足止めしていてほしいの」

「何をする気?」

「話している時間はないわ。
私を信じて」

セレイアはまっすぐに、ディセルの瞳を見た。

伝わってほしい。

信じてほしい。

共に戦う仲間として。

その想いは通じてくれたようだ。ディセルは頷き、氷の剣でヴェインに向かって行った。