逃げ出さずに最終試練を受ける。

もしそうするとしたら。

そのことが、どんな意味を自分にもたらしてくれるだろう?

セレイアは一人で悩むより、ここは親友を頼ることにした。

親友フリムヴェーラに会いに、客殿へと向かう。

護衛の騎士たちにまた止められてしまうかもしれないが、なんとかしてみせる。そう思って歩いていると、空中庭園に探し人の姿をみつけた。

幸運だった。

フリムヴェーラはベンチに腰掛け、花を愛でているようだ。

「フリム!」

セレイアは彼女に駆け寄った。

「セレイア様。また会えましたね!」

にっこりと、フリムは微笑んでくれた。

その微笑みを見ていると、洗いざらい自分の思っていることを吐き出したくなってくる。

けれどディセルのことは、相談できないと思った。

レティシア王女と違って、誰かにキスされたなんて言ったら、相手がディセルだと当てられてしまいそうな気がしたからだ。