麗雪神話~青銀の王国~

ため息をついていると、セレスが迎えにやってきた。

白と青の儀礼用軍服を身に着けた彼は、いつにも増して凛々しく見える。

セレスはセレイアを一目見るなり絶句していた。

そしてセレイアがあまりにも長い間(ま)に、「何よ」とにらんだ頃、やっとといったかんじで言葉をひねりだした。

「こ…れはこれは…大変、美しい…セレイア、君は、本当に……」

「馬子にも衣装って言いたいんでしょ? まったく。さ、行きましょ」

続きそうだった美辞麗句を遮り、セレイアは歩き出した。

舞踏会は主殿の大広間で行われるという。

そこは、ラピストリ候補たちが一堂に集められたあの日、一度足を踏み入れたことのある場所だった。

けれど今日はあの日にも増して、広間は豪華絢爛であった。

長テーブルにこれでもかと並べられたごちそうの数々。巨大な壺にいけられた色とりどりの花々。そしてひしめきあうドレスとスーツの人々。

この催しに華を添えるため招待された、貴族たちだろう。

こんなに広い広間なのに、どこか熱気のようなものを感じるほど、人が多い。

セレイアたちはこの催しの主役と言うことで、一段高くなった、特別な席に案内された。

そこに、ディセルも来ていた。

(ああ、やっぱり)

セレイアはさきほどとは違う意味のため息をもらす。

ディセルは美しかった。

群を抜いて。

誰もかなわぬほど。