麗雪神話~青銀の王国~

正直、セレイアはそれどころではなかった。

具合が悪いとでもなんとでも言って、断りたいところだった。実際、セレイアには政治的にも体面的にも断る自由があった。

だが、文面にトリステアからの方々、と書いてあるのが目に留まる。

「セレス、ひょっとしてこの舞踏会、トリステアからの要人の方々も出席されるの?」

「まあ、するだろうな。断りたくても、断れないさ。それが?」

(つまり、ディセルもこの舞踏会に出るってことよね……)

今度こそ、謝るチャンスをつかめるだろうか。

つかみたい。

そう思ったセレイアは、セレスに頷いて返事をした。

「わかったわ。私、出席する」

「本当か! 君なら断るのではと思っていたが。君とダンスを踊るのを、楽しみにしているぞ」

ダンスはこの際どうでもいい。

仲直りのきっかけを、なんとしてもつかみたい。

セレイアは懐のお守りをぎゅっと握りしめた。