麗雪神話~青銀の王国~

なんとシルフェが急にまっすぐ駆け出して行って、おもいきり抱きついたのだ。

――――ディセルに。

(え………?)

腕の中に飛び込んできた見知らぬ娘に、困惑したようなディセルの表情。


「久しぶり! 会いたかった―! スノーティアス!!」


シルフェの澄んだ声が、耳に届いた。

(え……………??)




それからどうやって、トリステアの人々とどんなやりとりをして、自室に帰ったのか、よく憶えていない。

お守りは握り締めたままだったから、渡せなかったことはわかる。

頭の中は混乱して、ぐちゃぐちゃだった。

シルフェはディセルに久しぶり、と言った。

では、彼女は、ディセルの知り合い、なのだろうか。

ディセルとはほぼ離れずにここまで旅をしてきた。その間、シルフェと会った覚えはない。つまり、ディセルが記憶喪失になる前の知り合いとしか考えられない。

ということは……?

「何か知りたいって顔だね、お嬢さん」

不意に聞き知った声がすぐそばで聞こえ、セレイアはとびあがるほど驚いた。

反射的に体術の構えをとりながらとびすさる。