私はお母さんからご飯の入った茶碗を受け取り、席に着く。
「誰と仲良くなったの?」
お母さんはおかずの入ったお皿をテーブルに置きながら聞いてくる。
「んー。クラスのボス?的な?」
「えーっ。あんたが?祥子ちゃんとしか喋れないとかいってたじゃない。」
私が答えるとお母さんは目を丸くして驚いた。
「だから言ったじゃん。中学デビューだって。」
「なんて子?小学校は違うの?」
「うん。神田日和って子。第二小だって。」
「ふーん。良かったわね。まぁ、頑張んなさい。」
お母さんはそう言って自分も席に着いた。
「うん。」
「お兄ちゃーん。早く来なさーい。ほのかに全部取られるわよ!」
「あれ、お兄ちゃん今日はいるんだ。」
「うん。バイト休みなんだって。」
私の家はお兄ちゃんと私と両親の4人家族だ。
お兄ちゃんは大学一年生で、夜が遅いため滅多に顔をあわせることはない。
「腹減ったー!何、今日唐揚げ?」
「お腹空いてるんなら早く来ればいいのに。」
お母さんが呆れながらご飯をよそい、お兄ちゃんの前に置く。
「うまそ!あってか学校どうだった?今日入学式だったよな?」
お兄ちゃんは唐揚げを取りつつ私に聞いてくる。
「ほのか中学デビューするんだって!」
お母さんはそう言って笑う。
「マジ!?出来んのお前。」
「いいじゃん!今日出来たしね!」