「ただいまー。おっもー!」
私は今日もらった大量の教科書が入ったスクバを引きずりながら二階に運ぶ。
「おかえり!学校どうだった?祥子ちゃんと同じクラスになれた?」
私がすぐに二階へ上がろうとすると、おかあさんが台所から顔を出して聞いてきた。
「んー普通だった。祥子とは違かった。」
「えっあんなに祥子と同じになれるか不安がってたのに…大丈夫?友達できそう?」
「平気平気。もうできたよ。中学デビューってやつだよ。」
ーーズズズッ
私は微笑みながら、必死に重い荷物を運ぶ。
「ほんとにー!?」
下からお母さんの心配した声がする。
「ほんとほんとー!」
ーーバタンッ
「はぁーー疲れたー。」
部屋に入ると懐かしい光景が広がる。
ベッドの横の壁にでかでかと主張しているポスターが目に入る。
うわっ、そういえばこの時の私って静岡のゆるキャラにはまってたんだっけ。
名前はおっ茶ー。
私はおっ茶ーの黄緑に統一された部屋をまじまじと見渡す。
模様替えしなきゃ。
ーーバフッ
「はあーー。」
私はベッドにダイブし、そこに落ちていた黄緑のぬいぐるみを腕に抱く。
…はぁ、お母さんちょっと若かったな〜
まぁ、6年前だしそりゃそうか。
私は目を閉じる。
……………。
「ほのかー!ご飯できるから手伝ってー!」
「はーーい。」
私は寝ぼけた頭を働かせて、なんとか下に降りた。