隣の席のみなみくんは笑わない




ムカついたときや、悲しい時、楽しいときや嬉しい時。



そのつど彼の顔は綻んだり、儚げだったり、ムッとしていたり、様々に変わる。



それに、部活である弓道に打ち込む姿は、弦のようにピンと張り詰めた雰囲気をまとうのだ。



もっとよく見てって、みんなに言っているのに、この変化には気づかないようだ。





彼は、無表情なんかじゃないよ。




冷血のみなみ様でもない。





彼は、ごく普通の高校生のおとこのこ。