隣の席のみなみくんは笑わない



苦手な先生が担当の教科の時は、憂鬱そうに瞳が曇る。




今日のみなみくんは、すこし、ほんの少しだけ、顔がほんのりと赤くて。





これはピンチ!と、あたしのみなみくん保護センサーが彼よりもいち早く何かを察知したんだ。





みんなはみなみくんのことを無表情って言うけれど、あたしはそんな風には見えないもん。





彼だって、クラスで面白いことがあったとき、目尻がさがるの。