隣の席のみなみくんは笑わない



「まさか、田中さんが僕よりも早く風邪に気付くなんてね。」




ベッドの向こうで、みなみくんがぽつりと呟いた。




こんな弱々しいみなみくんを見るのは初めてで、いつもシャキシャキとしている彼とは違いすぎて、なぜだか泣きそうな気持ちになった。





気付くに決まってるじゃない。




だって、あたしはみなみくんのことが大好きなんだよ。




あたし、いっつもみなみくんのこと見てるんだから。