白雪王子と白馬のヒメ

しばらくの沈黙。

雪島くんは、下を向いていて表情が
見えない。

でも、耳が赤い。

この前、頭を撫でられたときよりも、
真っ赤だ。

「雪島く〜ん……?」

しゃがんで様子を伺ってみる。

すると、そっと音も立てずに、雪島くんの腕があたしを抱きしめた。

細い指、指先まで白いなんて……。

シャツはまだ濡れてる。

でも、そんなの今はどうでもいい。

雪島くんの呟く声が聞こえた。

「……あった、かい……」

キュッと、抱きしめる力が少しだけ
強くなった。

雪島くんの冷たい背中をさする。

すると、「けほっ」という咳とともに、
雪島の目頭が乗ってる肩が、じんわりと
熱くなった。

そのとき、あたしはひとつ学んだ。

男の子も、女の子と同じような弱い
生き物で……、

あたしは、その子のことが好きなんだなと確信した。

カッコよくて、優しくて、大好きな
白雪姫みたい。

でも、実は弱くて、苦しんでたあなた。

なら、白馬の姫が愛してあげるよ。

雪島くん……あなたが、好きです。