【新奈side】
我慢できなくなって、さらけ出した
あたしの思い。
というか、恨み。
なんであたしじゃないの?
なんであんたなの?
あたしはあんたが嫌い。
あんたは前向きな性格だけど、あたしはそれが嫌いなの。
その性格が、その言い方が、あたしを
どんどん縛ってくの。
笑顔を振りまいてたら、男女関係なく
好かれると思ったら大間違いだ。
……なのに。
____ギュッ
なんで、抱きしめんの……?
「は、なしてよっ!何なの!?」
「……なんでもないよ」
はっ!?意味わかんない、なんでもないのに抱きしめるとか!
頭おかしいんじゃないの!?
「んー、なんでだろうなー……なんか、
落ち着かない?」
「落ち着くワケないでしょ!嫌いな奴に
抱きしめられるとか、ホント気持ち
悪くなる!」
「それ、本人の耳元で言う?」
クスッと笑うあんた。
すかさず続けた言葉は……、
「でもね、“嫌いな奴”にそこまで言える
なら、“好きな奴”にも言えるよね?」
「……………はっ?」
すると、バッと体を離して、肩を強く
叩かれた。
「しよう!告白!」
「は!?」
次の言葉を言わせることもなく、白馬
叶恵はあたしの手を握って走り出す。
「ちょっと!どこに行く気!?」
「図書室!サトニーの“好きな奴”、多分
今委員会の仕事やってるから!」
「ちょっ…!ちょっと…!」
「全部!言うんだよ!好きだってことも
ぜーんぶ!」
「っふざけんな!」
____バッ
握られた手を無理矢理振り払う。
驚いた顔で、白馬 叶恵は振り返った。
「何なの!?全部自分の基準で考える
ようなことして!」
「えっ…?」
「あんたにできたとしても、あたしには
できないの!大体、あんたも雪島くん
が好きなんでしょ!?なんでそんな奴
の前で、告白なんか…」
「勝ち目はない、なんて思ってる?」
「っ……」
グッと唇を噛みしめる。
だって、本当のことじゃんか……。
「あなたの口は、何のためにあるの。
あなたの想いは、胸に秘めるだけの
薄っぺらいものか」
____ゾクッ
背すじが凍りついたように強張る。
白馬 叶恵は、こんな瞳を、こんな表情を今まで見せたことがあったか?
いや……ない。
こんな、鋭く光る瞳は、持っていなかったはずだ。
「言葉は、人間が持つ唯一の意思疎通で
使う手段…それを使わないで、どうす
るのよ」
「っ…伝わらなくたって、届かなくたっ
て、陰から想っているだけで、あたし
は充分…」
「じゃあなんであたしを嫌った!?」
「あ……!」
は、初めてだ…初めて聞いた……。
白馬 叶恵が、声を荒げるのを……。
「至る所であたしに罪を着せて…まるで
自分の王子を横取りしないでって、
言ってるような、相当な欲深さじゃ
ない」
「う…ぁ……」
ダメだ…逃げられない……。
このときのあたしは、一体何を思って
いたんだろう。
前向きな白馬の姫が普段見せない、恐ろしさと美しさを目の当たりにして、何を思った?
いや…何も思わなかった?
「……勝ち目はなくとも」
白馬 叶恵は、ふと顔を上げると、また
いつもの輝くような笑顔でこう言った。
「一生のうちに、チャンスは何度だって
やって来るものでしょう?」
「……何それ、意味わかんない…」
「どうしたの?……あ」
っ!!
白馬 叶恵の後ろから声がした。
聞き慣れた声、何度も、何度も聞いて
いた愛しい声。
……雪島くんが、そこにいた。
我慢できなくなって、さらけ出した
あたしの思い。
というか、恨み。
なんであたしじゃないの?
なんであんたなの?
あたしはあんたが嫌い。
あんたは前向きな性格だけど、あたしはそれが嫌いなの。
その性格が、その言い方が、あたしを
どんどん縛ってくの。
笑顔を振りまいてたら、男女関係なく
好かれると思ったら大間違いだ。
……なのに。
____ギュッ
なんで、抱きしめんの……?
「は、なしてよっ!何なの!?」
「……なんでもないよ」
はっ!?意味わかんない、なんでもないのに抱きしめるとか!
頭おかしいんじゃないの!?
「んー、なんでだろうなー……なんか、
落ち着かない?」
「落ち着くワケないでしょ!嫌いな奴に
抱きしめられるとか、ホント気持ち
悪くなる!」
「それ、本人の耳元で言う?」
クスッと笑うあんた。
すかさず続けた言葉は……、
「でもね、“嫌いな奴”にそこまで言える
なら、“好きな奴”にも言えるよね?」
「……………はっ?」
すると、バッと体を離して、肩を強く
叩かれた。
「しよう!告白!」
「は!?」
次の言葉を言わせることもなく、白馬
叶恵はあたしの手を握って走り出す。
「ちょっと!どこに行く気!?」
「図書室!サトニーの“好きな奴”、多分
今委員会の仕事やってるから!」
「ちょっ…!ちょっと…!」
「全部!言うんだよ!好きだってことも
ぜーんぶ!」
「っふざけんな!」
____バッ
握られた手を無理矢理振り払う。
驚いた顔で、白馬 叶恵は振り返った。
「何なの!?全部自分の基準で考える
ようなことして!」
「えっ…?」
「あんたにできたとしても、あたしには
できないの!大体、あんたも雪島くん
が好きなんでしょ!?なんでそんな奴
の前で、告白なんか…」
「勝ち目はない、なんて思ってる?」
「っ……」
グッと唇を噛みしめる。
だって、本当のことじゃんか……。
「あなたの口は、何のためにあるの。
あなたの想いは、胸に秘めるだけの
薄っぺらいものか」
____ゾクッ
背すじが凍りついたように強張る。
白馬 叶恵は、こんな瞳を、こんな表情を今まで見せたことがあったか?
いや……ない。
こんな、鋭く光る瞳は、持っていなかったはずだ。
「言葉は、人間が持つ唯一の意思疎通で
使う手段…それを使わないで、どうす
るのよ」
「っ…伝わらなくたって、届かなくたっ
て、陰から想っているだけで、あたし
は充分…」
「じゃあなんであたしを嫌った!?」
「あ……!」
は、初めてだ…初めて聞いた……。
白馬 叶恵が、声を荒げるのを……。
「至る所であたしに罪を着せて…まるで
自分の王子を横取りしないでって、
言ってるような、相当な欲深さじゃ
ない」
「う…ぁ……」
ダメだ…逃げられない……。
このときのあたしは、一体何を思って
いたんだろう。
前向きな白馬の姫が普段見せない、恐ろしさと美しさを目の当たりにして、何を思った?
いや…何も思わなかった?
「……勝ち目はなくとも」
白馬 叶恵は、ふと顔を上げると、また
いつもの輝くような笑顔でこう言った。
「一生のうちに、チャンスは何度だって
やって来るものでしょう?」
「……何それ、意味わかんない…」
「どうしたの?……あ」
っ!!
白馬 叶恵の後ろから声がした。
聞き慣れた声、何度も、何度も聞いて
いた愛しい声。
……雪島くんが、そこにいた。
