白雪王子と白馬のヒメ

____ガヤガヤガヤ…

うおー!やっぱり全校生徒が集まると
校庭もにぎやかだ!

今年の体育祭の種目は2つ。

大縄跳びと借り物競争。

いずれも学年対抗で、みんな「3年生を負かすぞ!」とか言って張り切って練習してきた。

今日はその成果を発揮するときだ。

「カナちゃん!」

「ん?あー、サトニーか」

里中 新奈ちゃん、通称サトニー。

あの日、雪島くんの変化にいち早く
気づいた子。

ほら、目の色が変わったとか何とか
言ってた子。

あれ以来、あたしも仲良くさせてもらうようになった。

「どうしたの?」

「えっとね……雪島、くんが、いろいろ
言ってるのを耳にしちゃって」

雪島くん……?

「なんか、やっぱ女装嫌だとか、叶恵の
せいだとか……」

____ゾワッ

「スゴい……怒ってる、みたいで」

……冷たい氷水を、頭からかけられた
ような気分。

そして、何も考えられなくなる衝動。

そんなこと……思ってたの?

〈まもなく、第1種目の大縄跳びが
始まります。生徒は準備をお願い
します〉

「あ……始まっちゃう……!」

「ありがとサトニー」

「え……?」

だけど、精一杯の笑顔で、

「ちゃんと、雪島くんと話してみる」

自分でもわかる、震えた声で。

あたしは、もう並び始めてる列に
混じって行った。

そのとき、“あなた”はどんな笑みを
浮かべていたのかな。