「じゃあ、今年の文化祭、2-Bは
白雪姫をやるよ!」

白雪姫っっっ…………!!

あたしたちの学校の文化祭は、学年ごとに催し物が違う。

1年は展示、2年は演劇、3年は出店を
やる。

そして、我らが2-Bは、数多くの意見の中から……、

見事、白雪姫を勝ち取ったのだ!

「カナちゃん、嬉しそうだね……」

そりゃあもう、嬉しいも何もないよ!

念願の白雪姫……!

…………あ。

「でもあたしは……脇役になっちゃう
かな。琴音ちゃんもいるしね」

萩原 琴音ちゃんは、クラスの女子の中で(多分)1番可愛い子。

可愛いと美人を合わせ持つ子……?

でも、白雪姫じゃないんだよな……。

……………ん?

「雪島くんが姫役やれば……」

「何言ってんの」

「わあぁぁぁぁっっ!?!?」

「カナぴ、うるさい」

す、すみません……。

「……そんなに影薄かったっけ、雪島
くんって」

「いや、そんなでもなかったはず」

「……そですか」

でも、びっくりした〜……。

寿命が3年くらい縮んだよ、絶対。

「で、なんで俺が姫役なんてやるとか
考えつくの」

「それは、雪島くんが白雪姫と酷似して
いるからです!」

「……コンプレックスを自ら表へ出せと
言ってんですか」

「スミマセンデシタ」

でも、あたしなんかよりずっと良いよ。

「それに俺、結構タッパあるしね。
気づいてる?」

タッパ……身長?

確かに、よく見ると背は高い方だ。

ひゃく……180くらい?

でかっ!

「だから、俺は白雪姫には向いていない
んですよ」

勝ち誇ったような笑みを浮かべる
雪島くん。

な、なんか負けた気分……。

「じゃあ、さ。白馬さんが白雪姫役
やれば良いじゃん」

……………は?