渡辺陽菜 高校2年生
私の親友、横山咲良は重い病で長い期間入院している。
咲良はとても明るくとても病人には思えないくらい。
「咲良!」
私は、休みの日には咲良の入院している病院に通うのが日課だ。
「陽菜ー!今日も来てくれて嬉しい。今日は、とても天気が良くて気持ちいい。」
「そうだね!あ、私カメラ持ってるから天気が良いし屋上の景色を撮ってきてあげる!」
「うん!嬉しい、ありがとう」
「待っててね!」
(屋上の景色はとても綺麗だから、咲良も写メ見たら喜ぶだろな~)
病院の屋上からの景色は最高で私はこの景色がとても大好きだった。
屋上を見渡すと、1人の男の人がフェンスの向こうに立っていた。
「あのー!そこに居ると危ないですよ?」
「こっちに来るな!」
「はい?あなた、まさかここで死ぬ気ですか?」
「見れば分かるだろ!」
「ここは病院です!皆さん、生きたいと闘ってるんです。なのに、こんな所で死ぬなんてやめて下さい!」
「お前には関係ないだろ!」
「そうです!確かに、あなたの命は私のものではないです。なので、生きるか死ぬかを決める権利はありません。でも、ここが病院だと言う事を理解してください!」
「お前なんだよ、自殺しようという奴を止めるのかと思ったけど止めはしないんだな」
「普通、止めるでしょうけどね。私の命じゃないし、あなたなんか止める気しないです」
「お前変わってんな。最後に面白い奴に出逢えて良かったわ。」
「待って!」
「なんだよ?」
「私の親友は重い病と闘ってます。後、何年生きれるか分かりません。あなたが死ぬと言うなら、その命を私の親友にくれよ!」
「お前、うざい。死ぬ気も失せたわ。じゃあな。」
「自殺する勇気があるなら、生きててみろよ!」
これが、私と矢倉隆治の出逢いだった。