「今日は転入生が居るんだ」

ざわつく教室。

「男?」
「女?」




転入生かぁ……………。
いいな、萌も転校したいな。




「それじゃ、入ってきていいぞ」


興味なさげに頬杖をついていた腕を
無意識に膝の上にのせた。


どうせ転校生への
第一印象を好印象にしたって、
クラスに溶け込む最短手段が
"萌への嫌がらせに参加する"だから
きっと、意味なんかないだろうけど。



小声でざわつく教室の中に、
転校生が入ってきた。



「失礼します」

透き通る低い声。
男子だ。


軽く会釈をした彼が
顔をあげた途端、
教室の中はゲームセンターのように
騒がしくなる。