「ん…はい、もしもしぃ……」
『菜成こんな時間に寝てんの!?まだ21時よ?』
「あ……寝ちゃってた…」
『あらーそういうパターンね
お熱い中電話してごめんなさいね』
電話の主は梨羽
久々の連絡
メッセージを送っても帰って来なかったし
電話は気が引けてわざわざしてなかったから
本当に久しぶりに、生存確認ができた
「梨羽いきなりなんなのー
学校全然来ないと思ったら
連絡も返してくんないし」
『ごめんこめんちょっと体調悪くて寝込んでた!治ったからさー菜成ちょっと外出れない?今駅前なんだけど』
この時間の梨羽の呼び出し
珍しい事ではない
前もって約束することは殆どないから
21時か………
前までだったら、あまり気にしてなかったけど
葵と同棲を始めてから
夜一人で外に出るのもうるさくなった
心配してくれるのは嬉しいけど
少し過保護、でもある
「ん〜…だれ電話してたの〜梨羽ちゃん?」
「あっごめん葵起こしちゃった
うん、今駅前にいるらしくて
ちょっと行ってくるね?」
「んー…
じゃあ送ってく」
「えっ大丈夫だよ」
「俺が大丈夫じゃないの
夜遅くに女一人で外出せるかよ」