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「金曜日に菜成んちに挨拶ー?もう婚約するの?」

「違うってば…
ホームレスになるのを機に私と一緒に暮らしたいんだって
私はいいって言ったのに葵が「ちゃんと許可もらってからじゃないと」って言うから」

「変にきっちりしてるわね、葵くんって
まあそれだけ大事にされてるってことでプラスに捉えていいんじゃない?」








まだ住む場所も家賃予算も何も決めてないけど


それも全部私の親に話しつけてからって。

それまでは少し遠いけど親戚の家にいるからって





私もあと1年は学生やるから

とりあえずは今住んでいる辺りで探すことになると思うけど




葵に話しても何も決めさせてくれないから




まだ漠然とし過ぎて何も想像できない




「菜成良かったねー」

「え?」

「変わったよ、葵くんと付き合ってから
表情も柔らかくなったし素直になったね
恋ってスゴイわあ〜」

「それ葵にも言われたんだけど全然自分じゃ分からないんだよね…そうなのかな?」





自分でも分からない



葵が私を変えてくれてるのかな


きっと一人だったら変われなかった






まだまだだけどね…






「んで菜成、部屋探してんでしょ?
私このエリアでやってる不動産屋の知り合いいるから紹介しようか?仲介手数料とか無しにしてくれると思うから初期費用安く済むと思うけど」

「えっ本当?凄い助かる…
けどまだ葵がダメだって」

「真面目かって
まあ連絡先だけ教えとくから。私からも言っとくし
探すタイミングで言っときな。内見も予定立てないとそんなすぐ行けないからさ」

「あ…ありがと梨羽…」