「違う、違う!私、思い出したよ…!」

どこにも行かないよ、翠

そう翠に微笑んだら

生暖かい水が降ってくるから

まだまだ小さな手で、翠の涙を拭った

「…ヒロくんは?ヒロくんはどこ?」

会いたい、という気持ちが強かった

死んだよ

翠が耳元でそう零した

「し、んだ…?」

あの日、あの事故で…?

久しぶりに翠の腕の中で泣いたような気がした