にんじんは甘い、ピーマンは苦い

「おい!なつ!!」

ハァハァと、肩で息をする兄は、走ってきたことに間違いはなくて

「え…かずちゃん?」

拍子抜けな声を出し、兄のことを『 かずちゃん』と呼んだのは、明らかに保健室の先生で

「…知り合い?」

ずっと、手を握ってくれていたのか、手が汗でふやけた翠は、保健室の先生に尋ねた

「ちょっと、和希!置いていかないで……え?」

遅れてきた紀莉子さんは、兄に置いていかれたのか、文句を言いながら入ってきた

途端、先生を見て固まった