にんじんは甘い、ピーマンは苦い

「あの…名前を……」

今更なのは充分承知している

聞くタイミングを逃し続けてきた私には、ここで聞くしかなかった

えっ、と彼は目を見開く

まるで、知らない私がおかしいみたいに

「日下部 翠(クサカベミドリ)
2年3組な」

1つ上の先輩だったとは

みどり…翠……

「綺麗な名前ね」

ポツリ、こぼれてしまった心の声

それが聞こえたのか、日下部さんは顔を赤くした