離してなんてあげねえよ




「どういったご用でいらしたんです?」


「いえ、ただ…今美嵩さんは幸せかなぁっと思いまして…」


「私……?」



湊のお母さんの言葉に、私は少しびっくりしてしまう


「湊は…美嵩さんが幸せになってくれないと、一生悔やむと思うんです」


ふ…と湊のお母さんは、視線を自分の足元へと落とす



「美嵩さん…あれからないてばかりでしょう?だから…何かあったのかなって」



「っ…私……陽暮の事が…好きになっちゃったんです…」



湊のお母さんは少し驚いたようだったがすぐに微笑んだ


「だけどこんな私は都合が良過ぎます…!私を想って亡くなった湊や、ずっと傷つけてきた陽暮に申し訳がたたないんです!」


「……美嵩さん…」



「自分だけ幸せになろうなんて虫がよすぎます…!」



止まっていた涙も次々に溢れ出す