離してなんてあげねえよ




お母さんが帰ったあとも、私は少しの間玄関に立っていた



ピーンポーン


またもやチャイムがなる


涙をぬぐって、私は扉を開ける



「どーも」


「………」



私は無言で扉を閉める



「なんで閉めるのカナ☆」



閉めかけた扉をガシッと掴む



「何の用ですか陽暮君」


「いや、湊んちの親が来るって言ってたみたいだから」


陽暮は頭をかきながら言う



「また泣いてるんじゃないかなって思ったんだよ、文句ある?」


「……バカ」



「バカかもね」


「本当にバカよ」



「あんまバカうなバカ」



「悪い?」


「これでも今は学年トップだし」



ポケットの眼鏡をかけて言う




「………のようね」



はぁ…と私は溜め息をつく