「朔、朔?」

女の人が私の隣に来た。

「すっ、すいません!」

そう言うと女の人は朔という男の子を持ち上げようとした。
しかし、朔くんの手は私の服の裾を握っていて離そうとするが離れない。
私は仕方なく彼らの家まで一緒に行くことになった。

「ごめんなさいね。朔、毎日ここに手を合わせにきてて。かなりのお父さんっ子だったみたいなの。」

「ごめんなさい。私のお母さんが殺してしまって‥…。」
女の人の言葉がチクチクした。

「大丈夫よ。あなたのお母様とは朔面会できなくって当たる相手がいなくて朔だって誰に当たればいいか分からなくてあなたに当たってしまったんだと思う。」

彼女は背中に背負う彼に頬をすりあわせた。

「私は、、、」

「どうかしました?」

私は、その後の言葉を言えなかった。

私は何も悪くない。
悪いのは私の母だとは、

「あっ!!そうそう、自己紹介遅れたわ
私は朔の幼なじみのなみえです。」

「あっ。私は‥。」

「平気だよ。知ってるから!えっとあかりちゃんだよね?」