「議員の定足数に達しましたので、
生徒議会の設立を宣言します。起立」

ガタガタガタッ

議長の開会宣言で、たくさんの椅子を引く音が生徒会室に響き渡る

いよいよ初の生徒議会の始まりだ

「只今より、後期第一回生徒議会を始めます。礼!」

ザッ

約40人の生徒が揃って頭を下げる

これだけで凄い迫力がある

「着席!」

ガタガタガタッ

全員が無言で席に着き、前にいる私達を見つめる

「今回の生徒議会は、1.執行部あいさつ 2.議題 (1)赤い羽募金について
(2)生徒会新聞について 3.連絡、依頼事項 (1)生徒会スローガン発表の流れで進めていきます」

淡々と議長が説明をしていく
この間も、一言も言葉を発する議員はいない

「1.執行部あいさつ 会長の武藤君、お願いします」

「はい」

会長が静かに立ち上がる

「後期生徒会役員会長を務める、武藤 和也です。僕は……」

会長はスラスラと暗記したあいさつを話していく

完璧な会長の後に話す、という緊張感で私はただただ震えていた

「ありがとうございました。次に、副会長の阿部 由美さん、お願いします」

「はい。後期生徒会役員副会長を務める…」

「ありがとうございました。次に、書記の古山 乃亜さん、お願いします」

「はい」

どんどん私の番が近づいてくる

心臓の鼓動がドクンドクンと早くなる

「ありがとうございました。次に、書記の岡崎 柚果さん、お願いします」

「は、はい」

私は慌てて立ち上がり、暗記したあいさつを話す

途中、あいさつを忘れてしまったが、アドリブで話し、なんとか成功した

私はホッとしてしまい、ボーーッとしていた

するといつの間にか、小川先輩が話す番になっていた

「後期生活委員会委員長を務める、2年2組 小川 龍斗です。生活委員長として、朝の挨拶当番、忘れ物チェックを徹底的に行っていきたいです。半年間頑張りますのでよろしくお願いします」

生徒会室で話した時と同じ、優しい顔をしていた

そんな先輩の笑顔で胸がそっと、ときめいた

そして、胸がキュッと痛んだ