周りを見渡したレナは黒木リサの存在に気がついたらしく、 「あ、黒木さんだ。同じ電車だったんだー」 「あー、そうだったんだね」 とっくに気づいていたけど、今気づいたフリをした。 なぜかは分からない。 「美人だなー、でもなんか近寄りがたいんだよね…」 レナがボソッと呟く。 どことなく寂しそうな表情をするレナ。 「そうだね、もう10月半ばで高校生活も残り少ないからな。黒木さんとも仲良くなりたいよな」 「…」