「あ…」


気づけば俺は電車の中で言葉を発していた。
朝の電車だから、周りの人が不審がって俺を見る。

途端に恥ずかしくなり、咳払いをひとつして、何事もなかったかのように振る舞う。







また、会った…

いつもこの電車に乗ってるのかな…

今日一日いいことが起こりそうだ。



心の中でガッツポーズをしながら、またチラリと見る。




やっぱり美人だな…

本を無心で読んでいる姿も美しい…


周りのサラリーマンも彼女を見つめて頬を赤く染めているのが分かる。