確かにトモキはかっこいい。
男の俺が言うのも変だけどかっこいい。
顔立ちは端正だし、180越えの身長だ。
女子が放っておくわけがない。
「いやー、割り切った関係だから楽しいぞー?リョウスケもそういう関係の女作ればいいのに」
「俺はやめておく…」
「あのなー、佐藤一筋すぎるだろ。重すぎるわ」
「トモキ、それがふつ「リョウスケーーーーーー!見てたーーー?」
突然会話を遮られて、誰かに名前を呼ばれた。
「レナ…」
男子コートの隣でプレイしている女子コートから、レナが大きく手を振って叫んでいる。
「リョウスケーー!私点入れたよーー!やったー!」
とだけ言ってまたプレイに戻っていった。
女子コートではバスケ部のレナがひとりで点を入れていて、個人プレーをしているようだ。
「…はは、やっぱ俺には無理だわ」
そう、トモキに言うと俺はその場を立ち、歩き出した。
「おい、リョウスケ!どこ行くんだよ?」
「トイレだよ」