「あっ!噂をすれば……」
七海先輩はそう言ってクスリと笑う。
瑞葵が上半身をフェンスの方に向ける。
「水澤先生だ」
瑞葵の言葉に私も上半身をフェンスに向けて下を見る。
ちょうど私たちがいる校舎の裏に水澤先生がいた。
そこは教職員の喫煙所になっているところで、そこで水澤先生はタバコを吸いながらスマホを弄っていた。
「水澤先生ってタバコ吸うんだ」
「意外〜」
「おーい!水澤先生〜!」
七海先輩が下にいる水澤先生を大声で呼ぶ。
それに気付いた水澤先生が上を向いた。
一瞬だけ目が合う。
トクンと胸が小さく跳ね上がった。
水澤先生は笑顔を見せてこちらに手を振る。
七海先輩と瑞葵も手を振り返す。
チクチク……。
また……。
チクチクと痛む胸。
私は胸下をギュッと握った。



