「そう言えば、昨日どうしたの?」
「えっ?何が?」
「何が?って、部活に決まってんじゃん!七海先輩も気にしてたよ?裕紀乃が部活を休むなんて珍しいって」
「ちょっといろいろとあってね……」
私はそう言って苦笑いした。
「いろいろって何?」
瑞葵は前の席に座って、私の方に体を倒すようにして小さな声でそう聞いてきた。
「水澤先生に呼ばれたじゃん?」
「うん」
水澤先生という名前を出した途端に瑞葵の目がキラキラ輝いた。
「第2校舎にある社会科資料室の掃除をさせられた」
「えー!そうなの?てか、何で裕紀乃が?」
「こっちが聞きたいわよ!」
「でも、いいなぁ……。水澤先生と2人っきりだったんでしょ?」
「まぁね、でも良くない良くない。人使いが激しいったらありゃしない」
それでも、いいなぁと羨ましがる瑞葵。
もしかして……。
瑞葵って水澤先生のこと……。
そこまで思った時、胸がチクンと痛んだ。



