「帰るぞ?」
「…………ヒャン!」
ベンチに座ってボーとしてたら、後ろからいきなり水澤先生に声をかけられ、頭をポンとされて思わず変な声が出て体がビクンと揺れた。
「なんちゅー声出してんだよ」
水澤先生は私を見てケラケラ笑う。
さっきまで無表情でニコリともしなかった水澤先生。
今はケラケラ笑ってて、水澤先生の心の中は一体どうなってるのか……。
全くわからなかった。
水澤先生はベンチに座っている私を残して、職員駐車場がある方へ歩いて行く。
慌ててベンチから立ち上がり、私は水澤先生の少し後ろをついて歩いた。